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2022.02.22

造作の魅力

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

日本建築特有の温かみ

壁・床・階段・窓枠などのように
構造には直接関係しない部分の
加工や組み立てを
木材を使って仕上げる工事のことを
造作といいます。

家具や収納棚・テレビ台なども
造作工事に含めて作ることで
室内装飾の統一感はグッと上がります✨

木材を使った組み立てについては
経験により培われた技術や知識が必要です☝️

木材は生きた材料なので
木目などの見た目だけではなく
硬さや伸縮性などの特性に合った
使用方法や使用場所を考えます。

自らの目と感覚で選定するために
大工が木材屋さんまで足を運ぶことも
少なくありません👀

日本建築特有の温かみを表現できるのも
大工の技術と知識があればこそ👍

最近では
ドッグルームやキャットウォークなど
ペットと暮らす家づくりも
増えてきています🐕🐈🐇

どんなペットを飼っているかによって
求められる室内環境は変わってきます。

ペットも快適に過ごせる家づくりには
暑さ・寒さや湿度の温湿管理だけではなく
ケガをしない工夫をするなど
注意してあげたいところは多いはず。

そんなときこそ造作を工夫することで
自由な設計とアイデアをカタチにできます💫

新築の場合は特に
考えることや決めることが多いので
造作についての話をすることが
先延ばしにされがちです。

遅くても間取りを決めたあとの
細かい仕様を決めていく段階になったときには
造作についての打合せを始めておくことを
オススメします。

着工の前には確実に決めておかないと
予定通りの工期に間に合わない事態や
思い描いていたものが
作れなくなってしまうという事態にまで
つながることもあるので注意が必要です⚠️

大工は現場の段取りを把握して
電気・水道や内装など
工事に関わる業者さんを
取りまとめたりもしています。

計画に変更が出ると
材料の手配や業者さんの段取りが
崩れてしまうことがあり
調整済みの内容まで
組み直さなければならなくなるコトも😱

予定していた段取りが崩れてしまうと
工事の進捗が遅れたり
手配していた職人さんが
作業に入れなくなってしまったり
工程の順番が入れ替わることで
本来は不要な工程が加わってしまったり…。

造作に限ったことではありませんが
思いがあることだけでも
できるだけ早い段階から相談しておくことが
工期やコストを理想に近づけられる
ポイントです🌟

打合せにしっかりと時間をかけて
ご納得いただける内容で着工を迎え
ご満足いただける仕上がりを
喜んでくださるお顔が見られることが
嬉しいんです😊

ご要望やお困りごとなど
些細なことから気軽に伝え合うことができる
身近な存在になれるよう心がけています。
2022.02.10

備前焼タイル

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

堅牢で壮麗な仕上がり

少し前になりますが
施主様のご希望があり
備前焼のタイルを扱ったことがあります💫

備前焼の窯元まで訪ねて
タイル作りから打合せを重ねたという
いろんな方の想いも重なる
住まいづくりの一例です✨

なんとも言えない風合いが
インテリアの格を上げている!と
感じませんか🤗


備前焼は
絵付けや釉薬が施されることがありません。

素朴で自然な風合いなどの
土そのものの魅力を
土作りや土の使い方によって惹き出し
日本的な美意識を放っているのが
備前焼の大きな特徴ではないかと思います🌟

備前焼が貴重である理由のひとつは
手間隙をかけた土にあると
耳にしたことがあります。

約150万年前の田土を手作業で加工し
60年以上も寝かせて陶土にするという話に
驚きました😳

土を味わい深く使い続けるためには
土の扱い方が大切なんですね!

木にも似たような考え方があるんです🌱

法隆寺の再建を手がけた宮大工の西岡常一氏は
『ヒノキは千年以上経っても固くなっていく』
という言葉を残されています。

木を長く使い続けるためにも
木の扱い方があるんです☝️

岡山県備前市にある「閑谷学校」は
江戸時代の建築技術を集めていると
言われています。

国宝の講堂を含む建物が
「特別史跡旧閑谷学校」として
300年以上前の建設当時のまま
保存されているんです👀

水分による土台の腐食を避けるために
赤土や貝殻を焼いた石灰に
松脂(まつやに)や酒を混ぜた
和風セメントが打たれていたり…

火災を防ぐために
火を使う照明を使わなくても済むように
自然光による採光を心掛けた構造に
なっていたり…

通常の瓦の寿命が60年と言われる中で
耐久性や耐水性に優れた備前焼の瓦は
ほとんど劣化することなく
当時のものが現存していたりもするんです🧐

日本の伝統技術と先人の知恵により
現在で言うところの『メンテナンスフリー』の
材料や工法を駆使し
風雨や地震では倒れない建築へのこだわりが
詰まっています。

【堅牢(けんろう)】で
 ↪︎頑丈で揺るがない強さがあり
【壮麗(そうれい)】な
 ↪︎堂々たる美しさをもつ
仕上がりです😊

「本物」と表現される本質的に良いモノや
思いを込めた気に入っているモノは
手入れをしながらでも使い続けたいと
感覚的に思うものなんだと思います。

そういう感覚を身近に感じながら
居心地の良い家創りができるとイイですね!
2021.11.25

ホールダウン金物

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

個性を補い合う相性

木造軸組工法の建物で使用する
補強金物のひとつに
ホールダウン金物があります。

地震や台風など外からの強い衝撃で
柱が土台や梁から抜けるのを防ぐために
柱脚と呼ばれる柱の脚元の部分や柱頭に
取り付けられます。

現在では必要不可欠な金物とされていますが
阪神・淡路大震災が起こった当時は
2階建て住宅を建てる際に
構造計算の義務付けがなく
接合部に使用する金物も
定められていませんでした📖📚

そのため多くの住宅では
ホールダウン金物が使用されておらず
全壊や半壊などの被害が出ています。

義務付けのない状況でも
ホールダウン金物を使用していた住宅や
当時から構造計算の義務付けがあった
3階建て以上の住宅では
倒壊被害が極めて少なかったため
その重要性に注目が集まりました👀

こういった経緯があり
震災以降の新築住宅には
ホールダウン金物が使用され始めます。

使用されてはいるのですが…
柱が引き抜かれることはなく安心である
とも言い切れません💨

新潟県中越地震や熊本地震においては
強い地震力を受けた際に
ホールダウン金物自体が破断したり
湾曲してしまったりするケースも
あったそうです。

倒壊を免れた住宅でも
柱が床から浮き上がってしまい
気密性が著しく下がったという報告も😓

地震などの強い衝撃を受けたときには
木は木として
鉄は鉄として
バラバラに動くと考えられます。

鉄筋コンクリート造では
鉄筋とコンクリートの個々の性質が
長所と短所を互いに補い合うため
一体化して強度を発揮します。

それに比べ
木と鉄は一体化しません⚠️
実は…
もともと木と鉄は相性が悪いんです🙄

それに加えて
木は鉄が嫌う水分を吸湿し
鉄が錆びる原因となります。

金属は木と違い
熱を通しやすいので
木と金物の間で温度差を生じさせます。

この温度差により結露が起こやすくなり
これもまた鉄が錆びる原因となります。

そして更に錆びた鉄が膨張して木材を傷める
という負のループに😱

金物を取り付けることで
一見すると極めて安心な印象になりますが
木と鉄は一体化しないため
計算以上の大きな力が加われば
鉄が勝ち木が負け
木材が割けることも考えられます。

やっぱり✨木には木!

伝統工法の 込み栓(こみせん)
性質を活かす理にかなった技法なんだと
つくづく感じます💫

日々の生活を考えるのであれば
倒壊しないだけではなく
たとえ震災の被害を受けたあとでも
気密性や断熱性が保たれる耐震性能が
求められます。

耐震性を確保するためにも
心地よく住み続けるためにも
金物だけに頼るのではなく
材料の相性やバランスを
うまく取り入れることが大切です☝️

住みやすさを考える生活動線も含め
家としての強度や機能など
いろんな方面から未来を想像した設計と
職人さんの経験と技術を取り入れた施工が
必要なんです!

安心できる暮らしのある家づくりをするために
内装や外観だけではなく
目に見えない構造部分についても
目を向けてみることを
気に留めておいていただきたいです😊
2021.10.20

幣串(へいごし/へいぐし)

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

『願い』と『記録』

昭和53年3月に取り付けられた幣串なので
ボロボロです🩹

幣串は上棟式の際に
棟木に取り付けられるもののひとつです。

無事に上棟を迎えられたことに感謝し
上棟後の工事の安全祈願と
家内安全・災害厄除を祈念し
御守りとして飾られています✨

上棟日と建主名や工事者名などを書き入れ
完成後も天井内に取り付けたまま
建物が解体される末代まで保存されます。

幣串の文字は住まい手によって
書き込まれることも多いんですよ😊

時代や土地柄など環境により
儀式のカタチは変化しています。

完成後の住まいの記録にもなり
ずっと後になって目にした人の
思いを馳せるきっかけにもなり得る幣串は
残していきたい伝統のひとつだと思います。
2021.09.17

建築の祭式

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

古代から受け継がれるモノ

太古から日本人は事あるごとに神に祈り
『衣食住』に関連する祭事を
行ってきたと言われています📖

『住』に関する祭式についても
厳粛なものとして
現代に受け継がれてきたものが
たくさんあります💫

そのひとつである建築の祭式ですが
本来は二十数種の儀式があるそうなんです!

家を建てることは何十年に一度という
大きな出来事であったり
危険と隣り合わせで作業する職人さんの安全や
これから住まう方が
安心して暮らせるようにと願ったり…。

儀式を行うことで
気持ちも引き締まります。

一般的な儀式としては
地鎮祭、起工式、立柱式、上棟式、
定礎式、清祓式、竣工式、落成式、
竣工披露宴などがあります。

最近では地方の習慣や事情により
このうちの三式程度を組み合わせて
行われることが多いようですね。

それぞれの儀式の内容や由来も
知るほどに興味深くなります🧐

少し前の話になりますが
現存する祭式のうち
最も古式に則ったものとされている
伊勢神宮の式年遷宮が
大きな注目を集めていました⛩✨

古代の人も現代の人と同じように
安全や住みやすさなど
人を思い合い携わっていたのではと
思ったりもします。

儀式の持つ意味はもちろんですが
そんなことを想像しながら
古い建築物や遺跡を見てみると
いつもとは違う趣のある時間を
過ごせそうな気がしてきます😊

ちなみに…
ヨーロッパやアメリカでも
トッピング・アウト(Topping out)と呼ばれる
日本でいう上棟式があるそうです!