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2022.01.28

指矩(さしがね)

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

日本の伝統技法

指矩は大工道具のひとつで
L字型をした金属製の直角定規です。

漢字表記や呼び名は様々なのですが
材木などの長さや直角を測ったり
勾配を出したりするために使われています。

「大工の三種の神器」と呼ばれる
墨壺(すみつぼ)や釿(ちょうな)に並ぶ
大工の必需品でもあるんです✨

プレカット工法や機械工具の進歩などで
活躍の場は少なくなっていますが
日本の木造建築には
多くの伝統工具が使われてきました。

指矩は千年以上も前に
聖徳太子が日本に伝えたと言われていて
指矩を持つ聖徳太子の立像も
残っているんです🤣

この指矩ひとつあれば…
🔹寸法を測る   🔹原寸を書く
🔹円周の寸法だし 🔹√でみる寸法
🔹角度の割り出し 🔹勾配を出す etc.
様々な使い方ができてしまう重宝物です💫

このような指矩を使う木造大工の技を
規矩術(きくじゅつ)といいます📝

電卓やCADどころか
円周率や√という計算方法すら
存在しなかった時代から
長さや角度を割り出すために用いられてきた
日本の伝統技法です!

計算して割り切れない数字であっても
指矩を巧みに操ることで
問題なく割り出せてしまう様子は
マジックショーを観ているみたいに
あざやかでスマートなんです🪄

話は昭和38年頃に遡りますが
メートル法の法律改正時に
政府から尺貫法が禁止されました。

そのとき💡
ラジオのパーソナリティであり
『上を向いて歩こう』の作詞家である
永六輔さんが尺貫法を使う指矩を残すため
日本の文化や伝統を絶やしてはならないと
ラジオを通して全国的な運動をされたそうです。

古来から多くの人々により
受け継がれてきていることが
少しだけ身近に感じられる
エピソードですよね😊

指矩を使いこなす規矩術の習得には
かなりの修業が必要になるため
現代においては
敬遠されがちな技術であることも現状です🤔

とても奥深く難しい技法ですが
AIが進化するであろう未来においても
変わることなく在り続ける
伝承すべき日本の伝統技術だと思います。
2022.01.25

伝統建築工匠の技

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

木造建造物を受け継ぐための伝統技術

2020年に『伝統建築工匠の技』が
国連教育科学文化機関(ユネスコ)に
無形文化遺産として登録されています💫

宮大工や左官職人など
古くから受け継がれてきた技術は
世界的にも認められる価値のある技
…だというコトですよね?

日本からは他にも
歌舞伎や和食文化などが
ユネスコ無形文化遺産に登録されています🇯🇵

2010年代以降の登録については
申請や登録数の増加なども影響して
難易度が高まっているそうなんです!

特に世界的な視点から見て
類似していると判断されるものについては
登録が見送られる場合も。

実は📚
日本よりも先に
中国や韓国の木造建築の技術は
無形文化遺産に登録されています。

それにも関わらず
日本の伝統建築の技が登録されるのは
日本特有の「道」の精神も含めて認められた
…と個人的には思いたいです😊

映像や画像ではなく
足を運んで自分の目で見たり
実際に体験したりすることでしか
感じることができない空気感があります。

日本の伝統文化に触れようと思ったとき
京都などの特別な場所が思い浮かびますが
身近にも当たり前に存在しています🌱

強い自己主張をすることなく
黙々と施される職人技に
岡山県内でも玉野市内でも
日常の暮らしの中で出逢うことはできます✨

いつもの風景を
いつもとは違う視点で眺めてみると
面白い発見がありそうな気になるのは
私だけでしょうか🤔
2022.01.20

内障子

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

機能性の高い素朴な建具

遮光や断熱のために
窓の内側に取りつける和障子を
内障子といいます。

以前紹介させていただいた
二重窓・内窓・二重サッシ よりも
安価に取り付けることができて
賃貸住宅でも取付可能です!

内障子は和紙を貼り付けるものだけではなく
『和紙調の単板ガラス』や
『アクリル板』などを入れることも可能で
強度やメンテナンス性が優れた仕上がりに
することができるんです✨

和室の窓でもカーテンをつける
というお住まいも見られますが
内障子を入れると
和室らしい印象は断然高まります。

以前『欄間』の紹介をさせていただいた際に
少しだけ触れていた
組子 と呼ばれる伝統工芸を用いた障子も
旅館などで目にされていたりしませんか?

現代的なデザインの障子も多いので
モダンな印象の和室にしたり
洋室に和の雰囲気を取り込んだり
部屋の印象に大きく影響するインテリアの
ひとつにもなっています😊

ご希望によって
内障子に鍵を取り付けることもできるので
断熱性だけでなく
防犯性を高めることもできます🗝

ちなみに…
障子を通して入る光の透過率は
約40〜50%なんだそうです。

日中カーテン越しに届く光とは違い
やわらかい穏やかな光で
ほんわかと部屋を照らしてくれます♪

光の反射率は約60%といわれていて
夜になり照明を点灯すると
障子から反射する光が
室内をより明るくしてくれるという
機能性も備えています。

障子は基本的には
白い紙と木の桟の素朴な建具です。

素朴がゆえに
障子に様々な機能があることが
あまり知られていないんだとか…。

機能性も高くやすらぎを与えてくれる
日本の住宅に適したインテリアとして
ぜひ一度注目してみてください💫
2022.01.17

ニュースレター

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

継続的なコミュニケーション

新しくニュースレターを
作成してみました📝

ニュースレターは
ダイレクトメールとは違い
有益な情報であることを前提に
親しみを感じられる内容であることが
特徴とされています🧐

このブログでも
『日々の作業に関することを伝えたい』
『技術や想いを知っていただけると嬉しい』
という想いを込めて
掲載させていただいています。

ですが✨
そういった一方的なアピールだけで
終わるのではなく
読み物として面白いと感じていただけるものに
できていると嬉しいなとも思っています😊

目に留めてくださった方にとって
少しでもお役に立つ情報や
興味を持っていただける話題に
できているのか…

お客様とのやりとりやご質問などの
実際にあったお声から
より身近に落とし込めたり
より具体的な内容にするためには…

などなど視点を変えながら
アイデアを絞っていたりもするんです🤣

今回のニュースレターは
ペン型のLEDライトを同封しています🔦

コンパクトなのに
すごく明るいんです🌟

枕元や玄関に置いておくのも
オススメですよ。

そして今日1月17日は
阪神・淡路大震災の発生した日です。

カバンの中に入れても
かさばらないサイズなので
防災グッズとして
手元に置かれておいてもイイと思います💫
2022.01.12

家づくり開運見聞録:暦と建築vol.1

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

日本の暦にある言葉

暦(こよみ)は
月毎の日にちだけではなく
季節の移り変わりなどを知るために
古くから暮らしに欠かせないものでした🗓

日々の生活に使われていたり
時には趣向を凝らしながら楽しんだりと
時代によって様々な暦があり
昔の生活や文化を
今に伝える存在でもあるんです!

日本最古の歴史書である「日本書紀」にも
暦に関する内容が
書き残されているんだそうですよ。

しかも…飛鳥時代の暦は
天文や占いなどを担当する朝廷内の役所で
作成される書類だったんだとか😳

この暦は奈良時代から江戸時代までの
長期間に渡って使われ続けたらしく
季節の移ろいや年中行事に限らず
毎日の吉凶などに至るまで
様々なことが書き込まれていたそうです✍️

特に平安時代の貴族は
暦に従って毎日の行動を決めていたと
考えられていて
生活に不可欠な存在だったことが分かります。

鎌倉時代末期からは
それまでの手書きの暦に加え
印刷された暦が現れることで
より広く普及していきます💫

江戸時代以降は
天文学の知識が高まるなど
いくつかの要因で改編が繰り返され
現在の形に繋がります。

現在のカレンダーは
曜日や休日が書かれているだけではなく
カレンダーごとに記載内容が異なり
多種多様な内容になっていますよね✨

そんな中でも
昔の暦から受け継がれてきた言葉を
目にされることも多いのではないでしょうか?

干支や六曜など吉凶を表すものや
季節や行事などを示す二十四節気があったり
和風月名(わふうげつな)と呼ばれる
旧暦の季節や行事に合わせた月の別名などが
受け継がれてきた言葉に当たります。

普段から何気なく目にしているので
分かっているような言葉ばかり
…ではあると思いますが😊

次回以降に少しだけ
それぞれの成り立ちや意味などと併せて
建築吉日についても
ご紹介できればと思います📚

♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾
 不定期ですが少しずつ
 家づくりや暮らしのあり方の
 ヒントとなるような情報を集めて
 お届けできればと思います。

 占いのように結果をお届けすることも
 願いを叶えるアドバイスをすることも
 全くもって知識が足りていませんが
 生活スタイルに変化を作り出し
 日常をより快適に過ごす意識作りの
 お役に立てれば幸いです。
♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾∞♾
2022.01.06

室礼(しつらい)

玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。

日本の豊かさ

茶道や和食などの分野で使われる
『しつらい』という言葉があります。

『しつらい』とは
平安時代に生まれた言葉で
季節の移ろいや人生の節目に
感謝をしたり祈願をしたりするなかで
「もてなし」の心を込めながら
室内を飾り整えてきた先人の知恵を
意味する言葉です📝

外部に対して開放的な日本建築は
建具や調度類を配置して
生活や儀式の場を飾りつけるなど
『しつらい』を工夫することで
季節や状況の変化に対応してきました。

源氏物語にも多く登場し
平安時代の貴族社会で行われてきた
寝殿造りにおける『しつらい』も
室町時代の武士社会においては
書院造りでの儀礼的な意味が強まります。

この頃に『室禮』という漢字が当てられ
現在の『室礼』に至っているんだとか。

現代の建築において『室礼』は
単純に「空間や部屋の演出方法」という意味で
使われるようになりました🧐

茶道においては
「もてなし」と
「もてなし」の準備としての『しつらい』
という考え方が現代に継承されています🍵

季節感を住環境に取り入れながら
日本の伝統をインテリアに活かす感性は
日本人特有の民族性なんだそうです💫

慌ただしい時間が流れている現代では
昔のように季節の移り変わりを楽しんだり
客人だけでなく自らも「もてなし」たりという
『室礼』のための時間を作ることは
難しくなっていると思います。

季節感や伝統文化を感じとる力を
知らず知らずのうちに受け継いできた民族性が
日本人にあるとするなら…

季節を感じられる家づくりや
伝統文化を感じられるインテリアを
少しだけでも取り入れることで
落ち着いた温もりのある時間を
日常の中に作り出すことができるのかも
しれないですね😊